【腸内細菌のはなし】腸内フローラを知れば人生が変わる


心身の健康を突き詰めていくとたどり着くキーワード、腸内細菌。
これからじっくり勉強して、実践して、アウトプットしていくことを目標に
まずは図書館にある本の中から読み始めることにしました。

初めの一冊は、こちら。

腸内フローラ10の真実 著者:NHKスペシャル取材班
2015年9月7日 第1刷発行。

2015年2月22日に放送された、NHKスペシャル「腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー」は大反響となり、「腸内フローラ」ブームを巻き起こしたらしい。

この本はその番組制作者が、放送では伝えきれなかった真実を書いた本。世界中を飛び回り取材して得た情報を、熱意を持って、とても分かりやすく解説してくれています。

手っ取り早く言ってしまえば、
腸内フローラを整えれば、ダイエットも、美容も、身体も心も、健康になってしまう!ってくらい、人間はあらゆる面において腸内フローラに影響されているって話なのだけれども、じゃあどうしたら良いの?何を食べたらいいの?などという単純で中身の薄い健康情報ではない大切な事を、目次の前の13ページで丁寧に教えてくれています。

この本はこの目次の前13ページ(導入部分)だけでも、十分読む価値があると思います。

興味を持たれた方はぜひ、読んでみて下さい。たくさん書きたい気持ちをぐっとこらえて、ここでは私の印象に残った部分だけ紹介させていただきます。

食事を変えれば、腸内フローラは変わる。
腸内フローラが変われば、「私」も変わる。
腸内フローラを知れば、人生が変わる。

本書を読み終わる頃には、腸内フローラが 
”人生を共に生きる真のパートナー” であることを
本当の意味で納得してもらえると思います。                                                         
            by NHKスペシャル「腸内フローラ」取材班 丸山優二、古川千尋


イメージしてみて下さい。
地球に住む人間の数は約70億人ですが、人間一人の腸の中には、その1万倍以上、
100兆以上の腸内細菌が住み着いて暮らしているらしい。

人間が持つ遺伝子の数は2万数千個と言われているが、腸内細菌たちが持っている遺伝子の総数は、その100倍にもなるらしい。

腸の中に住む微生物(腸内細菌)たちは、人間が食べたものをエサにして、互いに競い合い、助け合いながら生きる”生態系”を作っている。
この、細菌たちの生態系を【腸内フローラ】と呼ぶ。

「フローラ」は、”お花畑”に近い意味を持つ言葉。 
個性豊かな細菌たちが、腸の中で花のように咲き乱れている、その全体を指すときに
「腸内フローラ」というのだそうだ。

ここまで読んでくださったアナタ、「はっ!」と、しませんか?
「私」は、「私ひとりぼっち」の単体ではなく、
「私と腸内細菌たち」の共同生命体だったなんて!
もう、ちっとも寂しくなんかない、孤独なんかじゃない。
腸の中の「地球よりも数倍大きな微生物ワールド」と共に、今も、私は生かされている!

私たちのおなかの中には、無数のお花が咲き乱れたお花畑があるんだって!

この本の3章「腸内フローラと人体の不思議な関係」のまとめでも
以下のように書かれています。

腸内フローラの研究者の多くは、
「人間と腸内細菌は一体になって初めてひとつの生命体である」と考え、
”超生命体”という言葉を使います。

理化学研究所のシドニア・ファラガンさんもインタビューの際に
”超生命体”という言葉を使って、哲学的ともいえる深い話をしました。
翻訳が非常に難しいですが、できるだけ原文に忠実に書いてみます。

【いま、あなたが”私”を見るとき、あなたは”私と腸内細菌”を見ているべきです。

私たちは”超生命体”です。人間の細胞の10倍もの腸内細菌がいて、

人間が持つ遺伝子よりもずっと多くの遺伝子を腸内細菌が持っています。

人類は、自分たちが”超生命体”であることに気づいていませんでした。

私たちはもう少し謙虚になって、自分たちの中に住まわせているものを理解しなければなりません。

私たちは、腸内細菌と共に生きています。

”私”とは、”腸内細菌と私”なのです。】

この言葉は、私たちが一人で生きているのではないことを思い出させてくれます。現代社会に生きていると忘れてしまいがちですが、私たちは自然の一部であること、目には見えない小さな生き物たちとの関係性の中で生かされていることに感謝しなくてはいけないのかもしれません。もちろん人間だけでなく、地球上に住むありとあらゆる生物がそうです。
すべての生物は、細菌を通して地球規模で繋がっている、と語る科学者もいます。あまりに壮大な話で、取材当初は付いていけない面がありましたが、番組を制作し終えた今では、そうした考え方の意味も徐々にわかってきました。
腸内細菌は、いま、この瞬間も私たちのおなかの中で生きています。

この部分を読んで私は確信しました。
今、勉強しているオーガニックと繋がる!

人間の健康を考えた時、腸内細菌という微生物たちに目を向けると
オーガニックにたどり着く!

農薬や化学肥料に汚染されていない健全な食材を、腸内の細菌たちが喜ばないわけがない。

そして、オーガニックに目を向けると、それは、単に安全な食材を示すだけではないことを知る。人間ひとりの健康への意識から始まり、食物植物、土壌に動物、環境そして地球の未来に繋がる広義でのオーガニック。

これについても、これからゆっくりじっくり、紐解いていこうと思っています。

※オーガニック(organic):有機体の。化学肥料や農薬を使用しない野菜や、添加物をいれていない食料品をさす言葉。By Weblio辞書


さて、話はこの本の内容に戻しましょう。うっかりすると、全部をずらずらと書き写してしまいそうなくらい、興味深いことが書かれているこの本「腸内フローラ10の真実」。ここからは私の気を特に惹いた部分をできる限りシンプルに分かりやすくご紹介して終わらせようと思います。

【第一章】腸内フローラで、やせる!若返る!病気を防ぐ!

●彼ら(腸内細菌たち)は、人生を楽しく快調に生きるために欠かせないパートナー。家族、親友と同等に大切にするべき、体の中にいる”もうひとりの私”なのだ

●腸内細菌を「善玉菌」「悪玉菌」と分けることは難しい。重篤な病気を引き起こす菌の親せきが、病気を防ぐ重要な役割も果たしている。善玉菌だけあれば良いわけでもなく、人それぞれ、自分に合った菌の多様性、バランスを保った腸内フローラを維持することが大事。

※これって人間にも言えると思いませんか?人は誰でも善も悪も心に持っている。善だ!悪だ!と決めつけて二分するのではなく、人の多様性を認め共存する社会が望まれ始めていますよね?

●健康な人のうんち(腸内細菌)を、抗生物質が効かない重症患者に移植する治療法
「便微生物移植」の効果は絶大。成功率は92%!

●腸内フローラの真実1~7
①腸内フローラしだいで ”やせ” にも ”肥満” にもなる?
肥満を防ぐ「短鎖脂肪酸」を作ってくれる腸内細菌たちのエサは、野菜などの食物繊維。

②糖尿病は ”腸内フローラに効く薬” で治せる?
腸内細菌を元気にする物質が入った薬や薬品を「プレバイオティクス」
菌そのものが入った薬や薬品は「プロバイオティクス」という。
アメリカのベンチャー企業が開発した新薬は、プレバイオティクスの一種。
腸内細菌をターゲットにした薬は、食品成分を原料としていて、副作用の心配が少ない。
糖尿病は、肥満を防ぐ「短鎖脂肪酸」で改善できる。

③腸内細菌が作る物質「エクオール」はお肌を若返らせる?
エクオールを作る腸内細菌がいる人は、日本人のおよそ二人に一人。
エクオールは、女性ホルモンと似た構造を持っている。
エクオールは、大豆の中にあるイソフラボンを腸内細菌が変化させ、パワーアップさせたもの。
肌のしわを取る「エクオール」の原料は大豆!
大豆をよく食べている日本人は、大豆イソフラボンの恩恵を受けている。
慌てて沢山たべるのでなく、自分の食生活を見直し、少しずつ毎日の食事に取り入れよう。

④腸内細菌には、がんを防ぐ菌と、引き起こす菌どちらもいる?
腸内細菌がつくるエクオールは、前立腺がん、乳がんの予防効果も期待されている。
肥満になると増える腸内細菌「アリアケ菌」は、がんを引き起こす。

⑤腸内細菌が”謎の動脈硬化を引き起こす?
身体を作るのに重要な栄養素、レシチンを腸内細菌が変化させた物質TMAOが血液中に多いと、動脈硬化を引き起こす。レシチンを摂らないようにするのではなく、なるべくその物質が出ない腸内フローラにすることが大切。
将来的には乳酸菌のプロバイオティクスで防げる可能性も。

⑥花粉症やアトピーなどのアレルギーも、腸内細菌が防いでくれる?
免疫の暴走(アレルギー)をなだめる役の細胞にも、腸内細菌がつくる「短鎖脂肪酸」が関わっている。「短鎖脂肪酸」を作ってくれる腸内細菌たちのエサは、野菜などの食物繊維。
腸内環境の改善は、アレルギー予防につながる。

⑦腸から毒素が″漏れる“と万病のもとになる?
腸内フローラのバランスが乱れると、腸のバリア機能が低下し、腸の中の様々なものが血液中に漏れ出す。これを″ 漏れる腸“ 、英語で ”リーキーガット” という。
"漏れる腸″が万病のもとと考えられるようになって来た。
バリアを守っているのは、腸内細菌が作る「短鎖脂肪酸」。
腸のバリア機能を回復するには、短鎖脂肪酸を増やす食物繊維が多めの食生活をすれば良い。 逆に、高脂肪食に偏った食事をしている人は、血液中の毒素の濃度が高い。
「食物繊維多め、肉魚も適量を。バランスの良い食生活」を心がけよう。

【第一章まとめ】
●腸内フローラは、新たな臓器だ!臓器、それは身体の一部。今まで人類が見逃していた重要な臓器。
「腸内フローラ」の研究には、医学を次のステージに押し上げる力がある。」
「腸内細菌を使った治療は、今までの薬よりも、優しく、穏やかに聞く可能性がある。」
                      by慶應義塾大学医学部教授 伊藤裕さん

●私達の「個性」の中には、「腸内フローラの個性」が含まれている。
遺伝子を変えるのは難しいが、腸内フローラは変えていける可能性がある!

【第二章】腸内フローラで、心を守る!脳を助ける!
●腸内フローラの真実8~10
⑧あなたの性格は、あなたの腸内フローラが決めている?
マウスでの実験で、腸内フローラを入れ替えると性格が変わる事が分かった。
活発だったり、臆病だったりするのは、遺伝子だけでなく腸内細菌の影響も受けている。
腸内細菌がいないと、脳は正常に発達できない。
腸内フローラしだいで、性格が変わる!

⑨腸内細菌が脳に話しかけることで、うつ症状が改善する?
腸には、犬の脳と同じくらいの神経細胞がある。
腸と脳にある直通回線「迷走神経」は、体の様々な機能を調整しており特に、気分や感情に強い作用を及ぼしている。
腸内細菌が作った神経伝達物質が腸の神経を刺激し、腸の神経の信号が迷走神経を通じて脳に伝わり、気分や感情に影響を与える。
腸内細菌は、脳に対して ″話しかける” ルートを持っている。
腸内細菌でうつ病を治療するための研究が進んでいる。

⑩自閉症にも腸内細菌が関わっている?
自閉症の症状を引き起こす可能性のある原因物質は、腸内細菌が作っていた。
その原因物質が血液中に漏れないように、漏れる腸を改善する薬もまた、腸内細菌である。
自閉症の治療に、腸内細菌を役立てようという研究が進んでいる。

【第二章まとめ】私たちは、腸内細菌に操られているのかも?
●人間などの動物の社会性を生んだのは、もしかしたら細菌たちかもしれない。

●無菌マウスは社会性が低く、単独行動を好むが、腸内に細菌を移植すると、他のマウスとコミュニケーションを取るようになる。

【第三章】 「腸内フローラ」と「人体」の不思議な関係
●腸内フローラの細菌たちは、健康を支えてくれるパートナーであるだけでなく、遠いご先祖様の代から共に支えあって生きてきた人類全体のパートナー。

●コアラの赤ちゃんがお母さんのうんちを食べるのは、ユーカリの葉っぱを消化できる腸内細菌をもらうため。

●地球上の生き物は皆、腸内細菌と共に進化し、様々な特技を獲得して生きてきた

●人間の赤ちゃんも、胎内にいるときはほぼ無菌状態。細菌と接触するのは出産から。
腸内細菌の大部分は成長過程で獲得していく。

●腸内細菌は、人から人へ、ある世代から次の世代へと、感染していくもの。

●日本人の腸内フローラには、「海藻を消化する遺伝子」がある。これは他の国の人の腸内フローラからは見つからない。

●私たちは、腸内に住み着かせる腸内細菌を選んでいる。
腸内細菌の隠れ家「粘液層」に入り込むことが出来るのは、腸内の白血球が作り出すIgA抗体に選ばれて、程々にくっついてもらえた腸内細菌だけ。
完全に覆われてしまった細菌は身動きが取れなくなるし、くっついてもらえない細菌は粘液層には入り込めない。

●腸内細菌を選ぶのは「遺伝子」と「学習」。腸内フローラは人によって個人差がある。

●それぞれの民族には、それぞれの食生活に最適化された腸内細菌がいるに違いない。
和食の恩恵が一番大きいのは、やはり、日本人。

●私たち生物は、長い年月をかけて腸内細菌と共に進化し、共に生きている。今、わたしたちは生活のあらゆる面で、どうするべきか?

【第四章 理想の腸内フローラを求めて】
●腸内フローラが健康であるかの指標のひとつは、「多様性」。
●「理想の腸内フローラ」は、人によって違うかもしれない。

【第四章まとめ】「腸内フローラ」は、人類の新たな挑戦だ!
●今もなお、科学者たちは一歩ずつ、研究を進めている
●腸内フローラは、未来に希望が持てる、明るい挑戦だ!

【あとがき】
●「腸内フローラ」という未知なる領域の解明に挑戦する研究者の方々の情熱。
その研究を、人々の幸せのために生かしたいと願う人たちがいる。
この本は、その″熱い思い”に感化されて実現した企画であり、「腸内フローラについて全部知りたい」という人にも満足してもらえる内容を目指したとのこと。



・・・・だいぶ長く書いてしまいました。
腸内フローラ、恐るべし。
おなかの中にいる100兆以上の腸内細菌さんたちの生態系、腸内フローラ。
先祖代々受け継がれた、日本食を食べて
私達(私と、腸内細菌さんたち)らしく、美しいお花畑を作りましょう。
そして、明るく、元気に、健康的に生きてゆきましょうね。


つづく。






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